集積回路の該非判定書作成方法

集積回路(IC:Integrated Circuit)は、トランジスタ、抵抗、コンデンサなどの多数の電子部品を一つのチップ(基板)上に集積し、相互に配線して機能を一つのまとまりとして実現した電子部品です。

この集積回路を中国等へ輸出する際には、「該非判定書」の作成が必須となります。

「該非判定書」とは、輸出しようとする貨物・技術が外国為替及び外国貿易法(外為法)の輸出規制(リスト規制・キャッチオール規制など)に該当するか(=該当)/該当しないか(=非該当)を明示し、税関・経済産業省・取引先に提示するための書類です。

◆集積回路(IC)の場合の判定書作成の流れ◆

① 対象物の技術的仕様を確認

 該非判定の前提として、ICについて以下のような「技術仕様」が必要です。

必須項目内 容
用途通信、制御、画像処理、暗号処理など
機能FPGA、ASIC、SoC、マイクロプロセッサなどの種類
技術レベル動作周波数、演算性能(MIPS、GFLOPSなど)、集積度(トランジスタ数)
セキュリティ機能暗号処理機能、タンパー耐性の有無
規格準拠ITAR、EAR、CCNなど外国法規の関連の有無

② 「輸出令別表第1」への該当可否の確認

 ICに対する代表的な規制項目:

項 番対象内容主な対象となるIC
2項汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGAなど(高速・高性能)高周波数のCPUやDSP、FPGA 
4項暗号機能を有するもの(暗号IC)セキュアIC、TPMなど
5項電波を扱う通信系IC(軍民両用)無線通信用IC(5G/6G)など
7項定高精度の測・制御を行うIC精密制御向けICなど

 たとえば:「本製品は、動作周波数が300MHzを超え、論理ゲート数が100,000を超えるため、貨物等省令第1条第1号(2項)に該当します。」

② キャッチオール規制の適用可否の検討

 最終用途が軍事転用可能である、あるいは懸念国向け(中国含む)の場合は、「キャッチオール規制」により、非リスト品でも許可申請が必要な場合があります。

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