[解説] 特殊詐欺の横行を止める安全保障貿易輸出管理の厳格化
特殊詐欺犯罪を横行、成立させている犯罪ツールとしてスマートフォンがあると私は考えている。スマートフォンは、現代の特殊詐欺を横行・成立させるための重要なツールの一つとして機能しており、多くの手口で不可欠な役割を果たしている。
【スマートフォンが犯罪ツールとして使われる理由・仕組み】
スマートフォンが特殊詐欺に"使われている"ケースは多岐にわたる。主な役割を挙げると:
| 役割/用途 | 内容例 | リスク・脅威 |
|---|---|---|
| 架電・かけ子業務 | 詐欺グループの「かけ子」が被害者に電話するためにスマホを使う | 電話番号を使い捨て(プリペイドSIMなど)にして追跡を難しくする |
| SMS(ショートメッセージ・テキストメッセージ)/メールで誘導 | 「あなたのカードが不正利用されました」などの偽通知を送り、URLをクリックさせて偽サイトへ誘導 | フィッシング詐欺や偽サイトへの誘導手段として非常に有効 |
| 偽警告・偽画面表示(ポップアップ、警告画面誘導) | スマホブラウザ上に「ウイルスに感染しました」、「早急に対処が必要です」等の偽警告を表示し、そこからアプリインストールや電話誘導を図る | ユーザーを慌てさせ、冷静判断を妨げる |
| 遠隔操作アプリ・不正アプリ設置 | 被害者に案内して不正なアプリをインストールさせ、スマホを遠隔操作させたり、情報漏洩させたりする | 銀行アプリ操作、個人情報取得、証拠隠滅などの手段に使える |
| 偽基地局攻撃・通信傍受 | 都市部で偽基地局(基地局を偽装する装置)を使い、スマホ通信を傍受・操作する詐欺行為が報じられている | 通信を傍受・改竄してさらなる詐欺に結びつけられる可能性 |
| 決済・送金手段との連携 | スマホに登録された電子決済、QR決済、オンラインバンキングとの連携を通じて金銭の移動を手軽にする | 被害者が詐欺者指示で送金・払い出しをする際、スマホ決済を使われるケースも |
これらを総合すると、スマートフォンは、詐欺行為の入り口/誘導手段/操作手段/資金移動インタフェースのすべてに関与可能な"総合インターフェース装置"として機能している。
特殊詐欺犯罪の増加とスマートフォン普及の間には、強い相関関係が存在し得る可能性が高いと言える。
不法に流通したスマートフォンの海外利用が、日本国内の特殊詐欺被害を増大させているという認識は、警察庁・総務省・財務省(税関)・経産省のいずれの実務の現場でも、近年極めて重要な論点として共有されている。
【不法スマートフォン流通防止の政策的方向性】
(1) 総務省の対策
・2024年以降、SIMカードと本人確認の厳格化(eKYC導入)を義務化。
・中古スマホ流通業者に対する本人確認義務を法制化検討中(電気通信事業法改正議論)。
・不正端末情報共有データベースを構築し、通信各社が赤ロム情報を共有。
(2) 税関・経産省の取り組み
・中古スマホの輸出審査を厳格化:外為法上の「暗号機能搭載品」該当判定に加え、不法取得端末の輸出差止め対象化を検討。
・該非判定書・輸出管理上の審査強化:IMEI番号・SIMロック状態・利用停止措置の有無を確認する手順を整備。
(3) 警察庁・警視庁
・不法スマホを悪用した特殊詐欺特別捜査班を編成。
・電話番号偽装(スプーフィング)を行うアプリ/端末の摘発を強化。
・海外捜査機関(ASEAN諸国)との情報共有を拡充。
STG社では、
・中古スマホの輸出審査を厳格化
・該非判定書・輸出管理上の審査強化
に全面的に協力し、通関当局が安心してスムースに該非判定審査ができる、スマートフォンの該非判定書の作成支援業務を行っています。
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